学位取得のために論文を書くため、インドやシンガポールで、略奪アリの狩りの様子を著者は熱心に追いました。そこで撮った写真でのアリの姿が素晴らしかったため、著者はナショナルジオグラフィック誌の記者の訪問を受けます。略奪アリの働きアリは「労働分業」をしていました。小型のものが“最前線”に大量に投入され、多くの犠牲を払いますが獲物に群がって動きを封じます。そこに中型または大型の働きアリがやって来てとどめを刺します。これは昔の(ローマ~中世の)戦法と共通しています。最前線に大量に投入するのは“コストの安い農民”で、“コストの高い職業軍人”はあとから投入されていたのです。

アフリカの軍隊アリはどう猛です。著者はその群れに襲われたことがありますが、噛まれるととても痛いそうです。もし指に噛みつかれたら一番良いのはその指をくわえてアリの頭をかみつぶすこと。そうしたらアリの顎はすぐ外れるそうです。ちなみに、アリの大きさは市販の清涼ミントほどで、歯ごたえはカリカリしていて、ほのかにナッツと蟻酸の風味を感じるそうです。軍隊アリは群れで狩りをします。数万個体が集団で獲物に襲いかかるのです。するとその中で“仕事にあぶれたアリ”も出現します。彼らの存在意義は?と著者は観察と思考を重ねます。