今年の春の東京の美術展は、4月下旬から、ルノアール展と若冲展があって、
道楽読書子の私めも、楽しみで仕方ない。

若冲展は、生誕300年を記念して、初期から晩年までの代表作が展示され、
若冲が京都・相国寺に寄進した「釈迦三尊像」3幅と「動植綵絵」30幅(宮内庁)が
東京で一堂に会すのは初めてで、近年、多くの人々に愛され、日本美術の中でも
きら星のごとく輝きを増す若冲の生涯と画業に迫るとのふれこみ。

その予行演習として、昨年刊行されて話題となった小説「若冲」を手に取った。

いやぁ、面白かった。

早速、ちと長いですが、本書の惹句を紹介。

“奇才の画家・若冲が生涯挑んだものとは――”

“今年、生誕300年を迎え、益々注目される画人・伊藤若冲。緻密すぎる構図や
大胆な題材、新たな手法で周囲を圧倒した天才は、いったい何ゆえにあれほど
鮮麗で、奇抜な構図の作品を世に送り出したのか?”

“デビュー作でいきなり中山義秀賞、次作で新田次郎賞を射止めた注目の作者・
澤田瞳子は、そのバックグラウンドを残された作品と史実から丁寧に読み解いていく。”

“底知れぬ悩みと姿を見せぬ永遠の好敵手――当時の京の都の様子や、池大雅、
円山応挙、与謝蕪村、谷文晁、市川君圭ら同時代に活躍した画師たちの生き様も
交えつつ、次々に作品を生み出しいった唯一無二の画師の生涯を徹底して描いた、
芸術小説の白眉といえる傑作だ。 ”

まさに、看板に偽りなしの、まごうことない傑作だと思いました。